【宅録】ギターやベースのノイズの対処法

DAWもパソコンも揃えていざ宅録!となっても、意外に次から次へと根本的な問題が発生し、思う様には行かないものです。その一つが「ノイズ」。ギターやベースのホームレコーディングでノイズに悩まされている場合、思わぬところに原因があるかもしれません。

楽器やオーディオインタフェースが壊れているとは限らない

宅録環境でギターやベースをレコーディングしようとするとき、「ジー」とか「ズー」とかいうノイズが、レコーディングに乗ってしまう時があります。

そして、このタイプのノイズは弾いていようが弾いてなかろうが、関係なくずっと鳴っています。

ケーブルを取り替えたり、楽器を修理に出したり、最終的にはオーディオインターフェースを疑ったりするものですが、対処に至る事はありません。というのも、問題は機材以外にあるからです。

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ピックアップの性質

ギターやベースに搭載されているピックアップは、中にコイルが入っており、ラジオのアンテナの様にノイズを拾ってしまう性質があります。

一般的にピックアップが拾いやすいと言われているノイズの周波数は60Hzと120Hzで、レスポールが搭載している様なハムバッカータイプのピックアップは、60Hz帯のノイズをキャンセルする様に設計されています。ハムバッカーが「ノイズに強い」というイメージを持つのは、このためです。

一方、120Hz帯のノイズは、シングルもハムバッカーもある程度拾ってしまいますが、手が弦に触れる事でグラウンドされ、この周波数帯はほとんど聞こえなくなります。いわゆる、「弾いているときは気にならないノイズ」の典型で、ピックアップの構造上、ある程度は仕方ないと思えるタイプのノイズです。

しかし、宅録でよく問題となるのは、先ほども紹介した様に、別のタイプの、もっと硬質な嫌な感じのノイズです。

そして、この種のノイズは弾いていようが弾いていまいが関係なく目立ち、「ジリジリジリ」とコンスタントに鳴り続けます。

【対処法】ノイズの発生源を特定する

宅録で出くわすノイズ問題のほとんどは、住環境の生み出す電磁波が原因です。これらが、思わぬ形で機材に干渉して、ノイズと言う形で姿を現します。

「そういえば、スタジオなどで弾いているときは聴こえないな」と思い当たるなら、機材そのものよりも、環境由来のノイズが原因と考えて、ほぼ間違いありません。

下記に、代表的なノイズの発生源を挙げます。

これらの場所から物理的に近づいたり遠ざかったりしてみて、今あるノイズがどう変化するか、試してみましょう。

パソコン

大抵の場合、宅録環境におけるノイズの原因はこれです。

DAW自体がパソコンを必要とするので、近くにあるのは当然なのですが、それ自体がノイズ源とは思い至らず、意外に盲点になり易い様です。

試しに、パソコンの筐体にギターやベースを近付けてみましょう。特にデスクトップ型のパソコンでは、かなりのケースで「ジー」という不快なバズ音が発生するはずです。

これに対処するには、単純に録音する位置と、パソコンの場所を離すしかありません。

座っている位置を逆向きにするだけでも、少しは軽減されると思いますが、できればパソコン本体はどこかにしまってしまい、キーボードとマウス、ディスプレイだけを手元に置くというのが、よりスマートです。

不可能な場合は、録音の時だけパソコンから逆を向き、かつ出来る限り離れる様にすると良いでしょう。

目安として、逆方向を向いた状態で、4、5メートルも離れる事が出来れば、ノイズは相当軽減されるはずです。

こんがらがったケーブル

床などにケーブルがこんがらがった状態で放置されていると、簡易的なコイルの様な働きを持ち、機材にとってノイズの発生源となる事があります。

使わないケーブルはなるべく片付ける様にし、最小限のセットアップでレコーディングに臨むようにしましょう。

特定のマイクもこの種のノイズを敏感に拾う傾向がありますので、特にそれまで何の問題も無かったり、買ったばかりのマイクが「ジー」という様なノイズを出す場合は、別の環境で同じ音がするか、試してみるといいでしょう。

個人的な実体験としては、過去にElectro-Voiceのダイナミックマイク、RE20でケーブル由来のノイズを経験したことがあります。同じ環境下でも、SM7BやSM58、SM57といったSHURE社のダイナミックマイクでは問題がありませんでした。

RE20がノイズに弱いという事ではなく、普段はとても静かな良いマイクですよ。滅多なことではケーブルくらいに反応しないのですが、環境由来の何かしらの要因が重なったのでしょう。

その他の電化製品

その他にも、テレビ、PCディスプレイ、調光型の照明、電源ユニットなどなど、異なる環境下では異なるモノがノイズ源になり得ます。

「これかも?」と思ったものは、とことん疑ってみましょう。

極端な例としてお話したいのが、過去に古い電気ピアノのウーリッツアーがiPhoneに対して異様な共鳴反応を示したのを経験した事があります。

ウーリッツァーは70年代の楽器で、ハンマーが金属板のリードを叩き、その音をピックアップが拾って、アンプが増幅してスピーカーから発音するという仕組みになっています。その時、iPhoneはボイスメモモードで、ウーリッツァーの上に置かれていました。

しばらくは大丈夫で何とも無いのですが、数分立つと、ノイズというよりも、ウーリッツァーがiPhoneに共鳴している様な異様な音がし出し、瞬く間にその共鳴音が増幅されていきました。

iPhoneを取り除いた瞬間、何事もなく鳴り止むのですが、iPhoneを近付けると、またノイズが発生しだすという、何とも思いもよらない経験でした。ノイズは本当に想像もつかないものが原因となっている場合があります。

機材が故障している事ももちろんあり得るのですが、修理サービスに依頼を出す前に、別の環境で試すという事を、まずやってみると良いかもしれません。