小節|拍マーカーを追加
プロツールスで作業していると、何かとグリッドから離れる事はダメな事の様な気になってしまいがちですが、たまにはグリッドから逃れて、音符を余分に伸ばしてみたり、リトルダンドをかけたくなる時があるかと思います。
そんな時、プロツールスには「小節|拍マーカーを追加」という便利な機能が用意されています。
この機能を使えば、「このポイントを、小節のこのタイミングに合わせてくれ」という事を、プロツールスに命令することができますので、たとえば82小節目の2.5拍目くらいの中途半端な位置に、いきなり83小節目の一拍目(アタマ)を持ってくることなんかができます。
要するに、こちらがグリッドに合わせるのでなく、グリッドをこっちに合わせる事が出来る様になるわけです。
ProTools : 出来かけの曲の途中に、数小節の空白を挿入する方法
1.小節カウントをリセットしたい位置に、カーソルを合わせる
まず、カウントをリセットしたい任意の箇所にカーソルを持ってきます。
手動で合わせても構いませんが、「タブトゥトランジエント(Tab to Transient)」という機能を使えば、キーボードの「Tab」を押すごとに、次のトランジエントの頭にカーソルをポンポンと飛ばしていくことができます。ドラムとかアタックのハッキリしているパートほど便利です。
タブトゥトランジエントは、上のメニューバーの所に専用のボタンが用意されてます。クリックして青い状態にすると、この機能を使う事ができます。
ポンポン、と「タブ」キーを押して、適当なトランジエントの所までカーソルを移動させます。
例として「82小節目・3拍目」の途中の変な位置にあるアタックにカーソルを合わせてみました。ここに、「83小節目の頭」を持ってきたいとします。
2.グリッドの表示設定を確認する
小節の頭を設定する前に、「カウンター」のグリッド設定がちゃんと「小節|拍」にあっているかどうか、確認しておきましょう。
当然ですが、このカウンターが「分:秒」とか「サンプル」とかになっていたら、何をやったとしても、見た目上グリッドの位置と小節や拍はシンクロしません。
単に表示モードが違うというだけの話なのですが、「あれ?小節の頭を変えたのにグリッドが元のままだ。バグか!?」という勘違いは、たとえ一瞬でも何かと寒気がするものなので、ショックを被る可能性は事前に排除しておくに限ります。
ちなみに、消えている場合は、ルーラー上に「小節|拍」を出しておくと更に分かりやすいですよ。
そして、もう一つ重要な事は、「コンダクタートラック」ボタンがオンになっている事を確認してください。
「コンダクター」というのは「指揮者」という意味ですが、小節の頭を任意のタイミングに指定するには、この指揮者マークのボタンが青色になっていなければなりません。
もし灰色になっている場合は、テンポモードが「マニュアル」になっている状態なので、クリックして「オン」にしておきましょう。
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3.「小節|拍マーカーを追加」ウィンドウを開く
では、「83小節目の頭」をカーソルの位置に指定しましょう。下記のコマンドを使って、「小節|拍マーカーを追加」ウィンドウを表示させてください。
ショートカットキー
Windows : 「Ctrl+i」
Mac : 「Command+i」
ツールバーから選択するときは、「イベント」→「テンポ検出」を選びます。
名前が「テンポ検出」になっているので紛らわしいですが、ちゃんと「小節|拍マーカーを追加」ウィンドウが開くので、安心してください。
このウィンドウで、「場所」と書かれた箇所に、任意の小節を指定します。
今回は、カーソル位置に「83小節目の頭」をもってきたいので、「83|1|000」と入力しました。「83」は小節、その次の「1」は一拍目を表しています。
入力が済んだら「OK」を押しましょう。
これで、カーソルの位置と、83小節目の頭が一致しました。
小節の頭を設定すると、プロツールが前後の長さを勝手に計算して、ルーラー上に新しいテンポが挿入されます。
本来は、未知のテンポをもった数小節のオーディオファイルのテンポを割り出す機能なので(テンポ検出)、もちろんそういう使い方もできます。
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プロツールスで作業していても、グリッドから逃れて「人間味」を足す事は意外と簡単です。ぜひ、一風変わった独自の使い方を編み出してください◎