生ドラムをmidiに変換して一体どんな得が??
simplestudioではしょっちゅう「昔ながらの音楽制作」を掘り返しては説きちらしているわけですが、別に過去を美化してモダンな手法を否定したいわけじゃありません。ただ、「レコーディング」という行為の本質が、失われつつある手法の中に数多く潜んでいるのも真実なので、その事が少しでも伝わって欲しいと、この場で紹介しているに過ぎません。
現代の手法は、過去の技術や経験の上に成り立ってます。ですので、最先端でいる為にはある程度過去を知る事も必要なのです。
ぼくらは、創造性の限界を更新し続けることが、クリエイターの本分だと考えています。なぜなら、新鮮な驚きや、コンテンポラリーな良さを維持できなくなった文化は衰退するしか道がないからです。進化し続けることはあらゆる面で大変なことですが、作る側が現状に満足して今在るものにしがみつくくらいなら、退場した方がいいです。
そういう意味では、常識やルールなんてものは一旦知ってしまえば、壊してなんぼのものだと思います。「50年代の音を蘇らせるために、プロツールスで現代的なプラグインを駆使しまくる」という「冒涜」も大いにありだと思うし、「懐古主義的な技法を応用して最先端のEDMを作る」という挑戦も当然ありなのです。
「サンプル」の扱い方ひとつにしても、「過去の研究」と「現代的なスキル」の両側面からクリエイティブな目線で見れば、きっと面白い発見があると思います。
という事で、今日もいっちょ参りましょう。
得その① 生演奏にサンプルを貼り付けて、音作りに役立てることができる
生演奏されたドラムのオーディオファイルからmidiデータを抽出すると、元のパフォーマンスに同じタイミングでサンプルを重ねるという「音作り」が可能になります。
ちなみに、この発想の元ネタはヒップホップです。「レコードからサンプルを抜き出してトラックを作る」という、かつてはアンダーグラウンドだった文化が、徐々にメインストリームの音楽制作に影響を与えていった一例です。
応用の具体例としては、例えば、古い手法で収録した荒々しい生ドラムの下に、モダンなサンプルをバランスよく配置する事で、現代性を保ったままヴィンテージ感を演出するドラムを作る事もできます。
関連記事:マイク3本でドラムを録る方法:グリン・ジョンズ・テクニックの基本
反対に、真逆の発想も有名で、一時期、R&Bなどの打ち込みサウンドに「生感」を付け足す目的で、わざわざ生ドラムの部屋鳴りをレコーディングして、それを打ち込みトラックのバックに薄く重ねるという事が流行りました。海外のEDM界隈では、今はもうお馴染みのテクとして定着してますね。
打ち込みベースに生サンプルを足すのは、すでにあるmidiデータやサンプラーを使えばいいだけなので誰でもわかりますが、生演奏にサンプルをあてるのは、いろいろなやり方があります。
今回見ていく「midiデータを作成してからサンプルに置き換える」というやり方は、何個かあるメジャーな手の内のひとつです。
得その② 生のグルーブを抽出して、ドラムを再構築する事ができる
例えば、生演奏のフィールを保ったまま、生ドラムの音を全部808のキックとスネアとかに置き換える事も、極端な話、出来てしまいます。
また、シェイカーなんかの打ち込みをするとき、iPhoneでも何でも一旦仮録音してからmidiにして、そのグルーヴだけをキープしたまま、音は好みのシェイカーのサンプルに置き換える、という事もできます。
パーカッシブなループトラックの作成にも役立ちますし、生っぽさを活かしたEDMトラックにはもってこいのテクです。
知っていれば、発想次第でまさにいろんな事が可能になるわけです。
得その③ 音圧の向上に役立てることができる
サンプルを重ねることにより、結果として音が太く、音圧が増す事になります。
裸の生ドラムという意味での「自然さ」からは遠ざかりますが、現代のラウドでアグレッシヴな音源に慣れ親しんだ僕らが思う「普通の」生ドラムという意味では、確かに自然な鳴りに近づきます。
そもそも「現代らしい音」の一つの特徴は、音圧に代表される様な「意図的な音の改ざん」です。「生の音を生のままにする」ことと、「生『らしい』音をデフォルメする」事はまったく別の事です。
音源で聴く音圧のある「生ドラム」の音は、実際に生ドラムのそばに立った時に聴こえる音とはかなり違います。この傾向はヒップホップの登場以降、より顕著です。
サンプルを足せば、自然にはあり得ない音圧を伴った「自然『っぽい』音」を、積極的にデフォルメしていく事ができます。
手順① 生演奏のデータとMelodyneを用意する
では、生演奏をmidiデータに変換する具体的なやり方を見ていきましょう。いろんなやり方がありますが、今回紹介するやり方ではCelemony社から出ているピッチ補正ソフトのMelodyneを使います。
僕がもってるのはMelodyne3ですけど、現行バージョンのMelodyne4をお持ちの方は、「Essential」以外のエディションであれば、同様の事ができるはずです。「Audio to midi」という機能を使うんですが、Melodyne4だと「Assistant」以降のエディションに搭載されている様です。ちなみに「Melodyne4 Assistant」は税込みで22,500円くらいで買えますよ。
Melodyneを使う理由
何でわざわざピッチ補正ソフトを使うのか?というのは、個人的にMelodyneの拾うトランジエント情報はかなり正確だと思っているし、ストレートにmidi情報だけをくれるという、それ以上でも以下でもない点が扱いやすいからです。
ドラムサンプラーと一体型になった、スマートなトランジエント検出&サンプル置き換えソフト(Drumagogとか)もいっぱいあるんですけど、midiだけポンとくれるMelodyneにDAWを組み合わせて使うやり方が、ツール的にもシンプルだし個人的には性に合っています。
オーディオデータの準備:カブリを極力排除する
では、midiを書き出す元となるオーディオファイルを用意する時のポイントを見てみましょう。
生演奏のデータを用意する際は、抽出したい音の種類だけが、なるべくきれいに隔離される様に工夫します。
この手法は音質の優劣を問わず使えるので、べつにiphoneの録音であっても問題ないのですが、スネアならスネア、キックならキックと、極力その他のリーケージ(カブリ)を抑えて、なるべく音がソロに近い状態にしてから、Melodyneにインポートした方が後の行程がラクになります。
例えば、スネアのトラックでキックとかハイハットのリーケージが大きい様であれば、事前にハイパス処理とか、サイドチェーンを使ったゲート処理などをしておくと良いと思います。
逆に、キックのmidiが欲しい場合は、ローパスフィルターを通してから書き出すといった感じです。
トランジエント情報さえ取得できればいいので、アタックさえ極端に変わらなければ、音が多少こもっていても、気にする必要はありません。
手順② midiデータの書き出し
では次です。
生ドラムのオーディオデータをMelodyneにインポートする所から見ていきましょう。
今回使用しているのはMelodyne3なので、Melodyne4はやり方が違うかもしれませんが、基本的には上部のメニューバーから「ファイル」→「開く」か、直接ドラッグ&ドロップでだいじょうぶだと思います。
テンポ設定
メロダインは、インポートされたオーディオデータのトランジエント情報からテンポを推測して、「トランスポートバー」に表示します。たとえば、今回のファイルを読み込んだ時は「147.8」というテンポが仮に割り当てられました。これを手動で正しい値に書き換えます。トランスポートバーのテンポの所をダブルクリックすれば、任意の数字を設定できる様になります。
で、何を基準にテンポ設定をするかについてですが、このあとmidiデータをインポートする予定のDAWのプロジェクトのテンポ設定に従ってください。
DAWでメトロノームやグリッドを無視して作業をするケースも同様です。この場合も、実際の曲のテンポではなく、DAWのプロジェクトファイルのテンポをMelodyne側でも指定してください。DAWの設定で値を特にいじらなければ、デフォルト値(BPM120)のままのはずです。実際の曲のテンポがBPM70であろうとBPM180であろうと、DAWが120ならMelodyneの設定テンポも120に従わせます。
ちなみに、Melodyneのテンポ設定を失敗すると、できたmidiファイルをDAWにインポートし直した時、midiデータがプロジェクトのテンポに強制的にシンクしてしまい、結果として全部のノート情報がズレますので、くれぐれも注意してください。
一応DAW側のインポート時の設定でこれを回避する事も出来るんですが、最初からテンポを合わせてた方が分かりやすいしラクです。
トランジエント情報の整頓
Melodyneにオーディオファイルを読み込むと、トランジエントがグレーの線であらわされますが、この位置がそのままmidiのノート(音符)として書き出されます。
でも、よく見ると、トランジエントが無いところにもグレーの縦線が入っているのが分かると思います。
オレンジの矢印で示した箇所が、余分に検出されたトランジエント情報です。放っておけば、この情報もmidi化され、midiノートとして反映されてしまいますが、画像くらいの範囲であれば、DAW側で十分対処できるので、放っておいても問題ありません。
キレイにしないと気が済まない!という方は、グレーの線にマウスカーソルを合わせて「Delete」キーでトランジエント情報をひとつひとつ消していく事ができます。
でも、先ほど触れた様に、オーディオファイルの作成段階で、フィルターなりを駆使してキレイにしていれば、そこまで神経質になる必要はありませんよ。チャチャッとやって、次に行きましょう。
midiファイルの書き出し
あとは、midiファイルを書き出すだけです。
上部メニューから、ファイル→「Save Audio to MIDI」とか、「Save as MIDI」とか、そういう感じで何かそれらしいのがあると思いますので(笑)、それを選択してください。
セーブする場所は分かりやすい場所を指定しましょう。これでとりあえずのmidiファイルが出来上がりました。
Melodyneの役目はここまでです。
手順③ Pro Toolsへのインポート
拡張子が「.mid」である事を確認する
では、まず先ほど制作したmidiファイルをPro Toolsの「エディット画面」にインポートします。普通にドラッグ&ドロップで問題ないのですが、できない場合はmidiの拡張子を見てみましょう。
さっき作ったファイルの拡張子が「〇〇〇.midi」の場合は、「〇〇〇.mid」に直してください。そうしないと、Pro Toolsにインポートする事ができません。
Ableton Liveもそうです。拡張子が「.midi」のファイルは、何をどうやってもインポートさせてくれません。拡張子を「.mid」に直してからでないと使えないので、注意しましょう。
拡張子を直すのはカンタンです。まず、拡張子を表示させてから、ファイルの名前を変更し、その時に「.midi」の部分を「.mid」に手動で書き直すだけです。拡張子を表示させる方法はOSによって違いますが、Windows10なら、一番下の虫眼鏡のマークをクリックして、「拡張子」とか「extensions」とか入力すれば、「拡張子を表示させる」みたいなオプションが出てきますので、それをクリックしてから、リストの中でそれらしい項目のチェックを一個外せば完了です。
新しいバージョンのMelodyneを使っている方はこの問題は起きないと思いますが、他でもたまにmidiデータを扱っていて、DAWにインポートできないとかいう不可解な現象を経験したら、まず拡張子を疑ってみてください。大体解決します。
③-1.midiノートの音程調整
ここからの手順は順不同なので、好きな順序でやってください。やることは以下の3つです。
③-1.正しいサンプル音をトリガーするためのノートの音程調整
③-2.midiクリップ全体の発音タイミングの調整
③-3.midiクリップ内の余分なノートの削除
①から行きましょう。
まず、置き換えたい音が決まっているなら、その音がサンプラーの設定でmidi鍵盤上のどのノートに割り当てられているか、事前に調べましょう。今回は、仮に鳴らしたいスネア・サンプルがD1の位置に割り当てられているとします。
Melodyneの作成したmidiファイルは、ノートの音程が適当になっているので、すべてのノートを一斉に「D1」にトランスポーズする必要があります。
midiエデイット画面を開いて、すべてのノートを全選択(Ctrl+Alt)してからマウスのドラッグでズルズル移動させてもいいのですが、タイミングがズレると面倒だし、Pro Toolsにはそういう事を自動で、しかも確実にやってくれる便利な機能があるので、ついでに紹介します。
まず、画面上部の「イベント」から「イベント操作」を選択し、その中にある「トランスポーズ」をクリックしてください。すると、下の画面の様なウィンドウが開きます。
「すべてのノートを以下にトランスポーズ」にチェックを入れて、右側の黒い四角の中に指定の音程を入力してください。今回はピアノロール上でD1に割り当てられたサンプルをトリガーしたいので、D1と入力しました。
あとは、トランスポーズさせたいノートが含まれている「midiクリップ」をクリック選択すれば、「イベント操作」ウィンドウの下部分にある「実行」ボタンが青になりますので、「実行」を押下します。
すると、指定したmidiクリップに含まれたすべてのノートが、一斉にD1にトランスポーズします。この機能が一番効力を発揮するのは、たとえばまちまちの音程をすべて一つの音程にバシッと変えたい時などです。
これで、インポートしたmidiデータは正しいサンプルをトリガーする状態になりました。あとは、タイミングの調整と、不要なノート(音)の削除です。
操作が終われば、このウィンドウは閉じてしまって構いません。
③-2.midiクリップをオリジナルのドラムのタイミングに合わせる
では、midiと生ドラムのタイミング合わせに移ります。
Melodyneで作成したmidiデータは、最初に1つ必ず余分なノートが入りますが、これは元のオーディオに含まれていた最初の無音部分なので不必要なノートです。この手順の目的は、最初のヒットに当たるmidiノートの頭と、それ以降のノートすべてを含むmidiクリップの先頭をそろえてから、そのmidiクリップの先頭と、元のオーディオの最初のヒットのタイミングをそろえる事です。分かりづらいと思うので、実際の手順にそって説明させてください。
まず、エディット画面でmidiトラックの「ソロ」「ミュート」ボタンの真下にある灰色の部分をクリックしましょう。デフォルトであれば、「クリップ」と表示されていると思います。
ここをクリックして、「ノート」を選択します。そうすると、「midiエディット画面」を開かなくても、普通のエディット画面上から直接ひとつひとつのmidiノートを編集できるようになります。
この時、ピアノロールの縦幅が小さすぎて、作業しづらい場合は、画面上部にある「midiズームイン/ズームアウト」ボタンを押してください。
これで「midiエディット画面」に行く事なく、各midiトラック内のノートを直接エディットできるようになりました。
次に、先ほど話した1つ目の長いノートを無視し、最初のヒットに当たるmidiノートを探してクリック選択します。
このノートを選択した事によって、プレイバックカーソルの位置が、選択したmidiノートの先頭に移動しました。
次に、midiトラックのモードを先ほどの「クリップ」に戻します。
この状態で、「Ctrl+E」を押下すると、midiクリップがプレイバックカーソルの位置で分割されます。
分割された2つのmidiクリップの内、先頭のmidiクリップ(画像ではMIDI-20)を選択して「Delete」キーを押します。
これで、最初のヒットにあたるmidiノートと、それを含むmidiクリップの先頭を合わせる事ができました。
次に、プレイバックカーソルを、元のオーディオファイルの最初のトランジエントの位置に合わせます。
結論から言うと、この位置にmidiクリップの先頭をピッタリ持ってきたいわけです。
これが済んだら、マウスカーソルを「グラーバーツール」に切り替え、Windowsであれば「ウィンドウズキー」、Macであれば「Ctrl」を押しながら、先ほど分割したmidiクリップをクリックします。
すると、midiクリップがプレイバックカーソルの位置までスナップします。
以上で、midiクリップのタイミング調整は終わりです。
たくさん手順がある様に見えますが、要するに、最初のヒットにあたるmidiノートとオーディオデータの最初のヒットを合わせれば良いだけです。マウスでドラッグしても良いのですが、慣れればこの手順が一番早いです。
あと、この段階でどれだけタイミングを詰めた所で、midiの発音にはゆらぎがあるので、先頭だけパッパと合わせて、大まかな調整が済んだら早めにオーディオに書き出してしまい、位相の確認や厳密なタイミング合わせをはじめるのは、それからにした方が個人的には効率がいいと思います。
③-3.midiクリップ内の不要なノートを削除する
生ドラムのオーディオからMelodyneが抽出したmidiデータには、不要なトランジエント情報が含まれています、という話を先ほどしました。
これから、その不要なノートを一気に排除するやり方を見ていきます。
まず、midiトラックを先ほどの「ノート」モードにして、ツールバーの「イベント」から「イベント操作」を選択し、その中から「ノート選択/分割」をクリックします。
この機能の便利な所は、条件にあったノートを自動ですべて選択してくれる所です。
Melodyneにインポートする前の元のオーディオをDAWから書き出す段階で、フィルター処理なりがうまくいっていれば、不要なトランジエントはメインのトランジエントにくらべて小さめのベロシティ(midiの音量)としてmidi情報化されていると思います。
その状況を利用して、相対的に小さなベロシティをもつノートを全選択してから、「Delete」キーで一括削除しようという訳です。
ではまず、上で触れた様に「ノート選択/分割」ウィンドウを表示させます。ショートカットキー「Alt+Y」でも表示が可能です。
次に、「ピッチ条件・すべてのノート」と「その他の条件・ベロシティー」にチェックを入れます。これで、選択されたクリップ内にあるすべてのノートを対象に、指定のベロシティ範囲に当てはまるノートを自動で選択する準備が整いました。
このウィンドウで、スネア以外のノートを全選択できるように、ベロシティーの範囲を調整します。元のオーディオ・ファイル上でのスネアの位置は下の画像の通りです。
書き出し時点のフィルターなりがうまくいっていれば、midiクリップの中でスネアのベロシティは大体115より上くらいにはなっているはずです。
なので、とりあえずベロシティの範囲を「1~107」とでもして、様子を見る事にします。
条件を設定して、対象としたいmidiクリップをクリックすれば、「実行」ボタンが青くなりますので、押下しましょう。
ちなみに、しくじっても間違ったノートが選択される以外何もおこらないので、気張る必要はありません。
一発でうまくいった!!!
上の画像で、黄色の矢印で示したmidiノート以外が、ぜんぶ黒縁で選択されているのが分かりますね。
この状態で「Delete」キーを押せば、選択されたノートがすべて消え、スネアだけのキレイなmidiデータが完成します。
これで完成です。
いざ説明すると長いんですが、慣れると最初から最後まで2分もかかりませんからね。
あとは、このmidiデータを使って、元のオーディオデータにスネアサンプルを足そうが、タンバリンを足そうが、ハンドクラップを足そうが、フットストンプを足そうが、何もかもアイデア次第です。
コツとしては、サンプルの音色と元の生ドラムとの相性をざっと判断したら、midiをさっさとオーディオ化してしまう事です。
そうしてから、位相の判断や、発音タイミングを数セント単位でこだわるなどした方が、無駄な事で悩む必要もなくなり、決断を下すプロセスが早まります。
鉄は早いうちに打つに限りますからね。
ではまた別の記事で会いましょう◎